金烏玉兎(きんうぎょくと)


月日のことをのんびりと
by 木ねずみ
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火の魚

先日、NHKのドラマ「火の魚」を観て面白かったので、
室生犀星の原作「火の魚」も読んで見ました。

ドラマと原作では微妙に物語が違うのですが、
どちらも偏屈な老齢作家と女性編集者の心の交流を描いています。
原作に女性編集者が人形劇を披露する場面があるのですが、
ドラマで、とても素敵なシーンになっていました。

ドラマは、死を意識しているように思います。
原作では、金魚の魚拓を頼まれて困惑する女性編集者の心境が
細やかに描かれていました。
この辺りの描き方を、ドラマでは直接的に、死に結び付けているのですが、
原作では、女性編集者の哀しい性ともいうべき
複雑な心理が描かれていました。。。
原作もドラマも、女性編集者には秘密があって、
それを知らぬとはいえ、老作家は彼女を傷つけるような言葉を吐きます。
ドラマでは、作家はそれをとても後悔し、花束を抱えて彼女に会いに行きます。
そしていたたまれない気持ちを吐き出すように
最後、叫ぶのですが、
それが「がんばれよ~」のような励ましの言葉ではなくて
「タバコ吸いて~」なのが良かったです。
物語に暗い影を落とすことなく終わりました。。。
原作の方は、金魚の魚拓がとても上手くとれた事に満足した老作家が
しみじみと、彼女に頼んで良かった、と思って終わります。

原作とドラマ、どちらが好きかと問われたら
私は、「原作」と答えるかもしれないのですが、
ドラマにも独特の良さがあります。

ところで、室生犀星は、今まで詩しか知らなかったのですが
(私の母校の校歌は、室生犀星作詞でした。。)
今回初めて小説を読んでみて
とても驚きました!
同時収録されている「蜜のあわれ」は、
なんと金魚が自分の事を「あたい」と言うかと思ったら
老作家と会話を交わし
街に買い物に出掛けて行くのです!
金魚が、何とも艶めかしい女性として描かれています。。
だけど、あくまで金魚なのです。。。

実は、その昔
金魚を大切に育てている「奥さん」に
金魚が話しかける、という童話を書いた事があります。。
その頃は、勿論「蜜のあわれ」は知らなかったのですが、
何年も前に、すでに金魚を外出までさせていた小説家がいたなんて!
何だか感慨深いものがありました(笑)
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金魚の魚拓は、「蜜のあわれ」の装丁用に
用いられたのだそうです。。。
by choco-co-co | 2010-05-11 17:41 | 読書日記

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