金烏玉兎(きんうぎょくと)
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ひらがなのやさしさ
先日、PTAでお昼に娘の学校にいると
お昼の校内放送がかかって
「正しい日本語を使いましょう」というものだったのですが、
「先生、トイレ」
「先生、見えない」
こんな風に言っていませんか?
先生は、トイレではありません。。
先生は、透明人間でもありません。。
と、
真面目に語りかけていて
かなり面白かったのですが、
普段、私も
「あっ!私、ハンバーグ!」
「私、スバゲッティー」
「あなたは?」
なんてしょっちゅう言っているし、
I am hamburg っていう意味ではない事くらい
誰でも分かってくれるはずです。。
こう考えると、
日本語というのは、その場の雰囲気を読みとって、
言葉と言葉の狭間の
見えない言葉たちを理解する必要があるんだな・・・と
改めて思いました。。
そして、漢字とひらがなの微妙な使い分け。
「私」と「わたし」ではニュアンスが違います。。
それを理解できるのは、日本人だけかもしれません。
閑話休題
短歌からは、しばらく遠ざかってしまっているのですが、
久しぶりに歌集を読み返しました。。
笹井宏之「えーえんとくちから」
「ひとさらい」
26歳で亡くなった、夭折の歌人が残した歌集で、
折にふれて、開く歌集です。。
言葉が、「ことば」というひらがなになって
優しく響いてきます。。。
ひらがなの歌人と言えるかもしれません。
笹井さんは、自分以外のあらゆる物が
毒になって、自分の身体を痛めつけてしまうという
難しい病に掛かっていて、
ほとんど外出する事もなく
家で少しずつ短歌を作っていたようです。。
そういう人にとって
インターネットというのは、とても役に立つ道具だったようで
ネットを通じて世界を広げていったようです。
・葉桜を愛でゆく母がほんのりと少女を生きるひとときがある
・ひろゆき、と平仮名めきて呼ぶときの祖母の瞳のいつくしき黒
・「はなびら」と点字をなぞる、ああ、これは桜の可能性が大きい
この三首が最初とても心に残りました。。
とても上手だと思います。。
・えーえんとくちからえーえんとくちから、永遠解く力を下さい。
・ゆるせないタイプは<なわばしご>だと分かっている でてこい、なわばしご
・拾ったら手紙のようで開いたらあなたのようでもう見れません
・この森で軍手を売って暮らしたい まちがえて図書館を建てたい
・美術史をかじったことで青年の味覚におこるやさしい変化
ちょっと不思議な世界に住んでいたのだな・・・と思います。。
最初の3首と後の5首では、ちょっと雰囲気が違うのですが、
言葉を使い分けていたのだと思います。。
でも、どの作品も「やさしい」というひらがながぴったりな雰囲気があります。。
「えーえんとくちから」の巻末に
無題の詩が載っています。。
・・・・・・・・
きれいごとのはんぶんくらいが
そっくりそのまま
しんじつであるといい
とひらがなで書いてあって、
綺麗事でなく「きれいごと」
半分ではなくて「はんぶん」
真実ではなくて「しんじつ」
という書き方に、歌人の人柄が
表れているな・・・と感じます。。
ふわふわとした
やわらかい感性を
つぶさないように、つぶされないように
必死に生きたのだろうな・・・・と
ちょっと切ないです。。
命を削りながら
作品を書いたのでしょう。。
ひらがなのやさしさを感じる歌集です。
お昼の校内放送がかかって
「正しい日本語を使いましょう」というものだったのですが、
「先生、トイレ」
「先生、見えない」
こんな風に言っていませんか?
先生は、トイレではありません。。
先生は、透明人間でもありません。。
と、
真面目に語りかけていて
かなり面白かったのですが、
普段、私も
「あっ!私、ハンバーグ!」
「私、スバゲッティー」
「あなたは?」
なんてしょっちゅう言っているし、
I am hamburg っていう意味ではない事くらい
誰でも分かってくれるはずです。。
こう考えると、
日本語というのは、その場の雰囲気を読みとって、
言葉と言葉の狭間の
見えない言葉たちを理解する必要があるんだな・・・と
改めて思いました。。
そして、漢字とひらがなの微妙な使い分け。
「私」と「わたし」ではニュアンスが違います。。
それを理解できるのは、日本人だけかもしれません。
閑話休題
短歌からは、しばらく遠ざかってしまっているのですが、
久しぶりに歌集を読み返しました。。
笹井宏之「えーえんとくちから」
「ひとさらい」
26歳で亡くなった、夭折の歌人が残した歌集で、
折にふれて、開く歌集です。。
言葉が、「ことば」というひらがなになって
優しく響いてきます。。。
ひらがなの歌人と言えるかもしれません。
笹井さんは、自分以外のあらゆる物が
毒になって、自分の身体を痛めつけてしまうという
難しい病に掛かっていて、
ほとんど外出する事もなく
家で少しずつ短歌を作っていたようです。。
そういう人にとって
インターネットというのは、とても役に立つ道具だったようで
ネットを通じて世界を広げていったようです。
・葉桜を愛でゆく母がほんのりと少女を生きるひとときがある
・ひろゆき、と平仮名めきて呼ぶときの祖母の瞳のいつくしき黒
・「はなびら」と点字をなぞる、ああ、これは桜の可能性が大きい
この三首が最初とても心に残りました。。
とても上手だと思います。。
・えーえんとくちからえーえんとくちから、永遠解く力を下さい。
・ゆるせないタイプは<なわばしご>だと分かっている でてこい、なわばしご
・拾ったら手紙のようで開いたらあなたのようでもう見れません
・この森で軍手を売って暮らしたい まちがえて図書館を建てたい
・美術史をかじったことで青年の味覚におこるやさしい変化
ちょっと不思議な世界に住んでいたのだな・・・と思います。。
最初の3首と後の5首では、ちょっと雰囲気が違うのですが、
言葉を使い分けていたのだと思います。。
でも、どの作品も「やさしい」というひらがながぴったりな雰囲気があります。。
「えーえんとくちから」の巻末に
無題の詩が載っています。。
・・・・・・・・
きれいごとのはんぶんくらいが
そっくりそのまま
しんじつであるといい
とひらがなで書いてあって、
綺麗事でなく「きれいごと」
半分ではなくて「はんぶん」
真実ではなくて「しんじつ」
という書き方に、歌人の人柄が
表れているな・・・と感じます。。
ふわふわとした
やわらかい感性を
つぶさないように、つぶされないように
必死に生きたのだろうな・・・・と
ちょっと切ないです。。
命を削りながら
作品を書いたのでしょう。。
ひらがなのやさしさを感じる歌集です。
by choco-co-co
| 2013-10-17 06:00
| 読書日記
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