金烏玉兎(きんうぎょくと)


月日のことをのんびりと
by 木ねずみ
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清原啓子の宇宙

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清原啓子という銅版画家について、いつどうして知ったのか、覚えていないのですが、20代の頃に目黒美術館で小さな展示を観て、その時購入した薄いパンフレットのような図録をずっと大事に持っています。いつかまた、展覧会を催さないか心待ちにしていました。今回、普及版の清原啓子作品集が出版されたようで、それに関連して八王子夢美術館で全作品の展示がおこなわれています。
私は、版画というジャンルに心惹かれて、先日も谷中安規展を観に行ってきました。谷中安規は、木版画家ですが、版画を志す作家たちというのは、作品に並々ならぬ時間と手間をかけています。何故版画でなくてはならないのか…その答えを清原啓子という夭逝の作家が教えてくれています。
今回、全作品(といっても、30点のみ)、下絵(かなり精巧)、制作ノート、アトリエの本棚の再現を観て、修道院に暮らすように芸術の神様(と言ってしまって良いのか分かりませんが)に向かい、ひたむきに制作していた様子が伺えて、とても清々しい気持ちになりました。
清原啓子は、ノートに自分は芸術に馴れ合っているわけではなく、じゃれあっている…と書いていて、とりつかれたような狂気は感じられません。よく考えて、何度も修作を重ね作り上げています。自分の作品を客観的に見れたのだと思います。
自分の時間が短い事を知っていたかのように、大学院も制作する時間が減るので勿体ない、と言って中退し、端正な字が並んだ制作ノートには、毎日のタイムテーブルが書かれていて、5時起床、10時から午後6時まで制作し、夕食を挟んで2時間程の読書時間、そして22時には就寝という規則正しい生活を送っていたことが分かりました。アトリエの本棚には、実は私も読んだ事があったり、興味がある本が並んでいました。画集は、思った程多くなかったのですが、カロの画集と、小袖、能装束の本がありました。読書家で久生十蘭が好きで、現在久生十蘭の本の表紙は、清原啓子の作品が用いられています。ルドンが好きなところも共感出来ます…。なかなか眠れなかったみたいだったので、それが魂を減らしてしまった原因ではないかと残念です。美人だったこともまた、原因の一つかもしれません…。こういう展覧会に行くと、魂が清めらる感じがして、清々しい気持ちになって帰路につきました。
八王子まで行ったので、ちょっと遠かったのですが、帰りに伊勢屋という古い和菓子屋さんがあって、串団子1本60円、お饅頭も1個80円という嬉しいお値段で、娘におやつを買って帰れました。14日までの展示です。
by choco-co-co | 2014-12-02 19:23 | 訪ねた所

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